静かに佇む戦争遺跡 第二河和海軍航空隊 河和水上機基地跡 東側スリップ(第二すべり) [走り隊]
愛知県知多郡美浜町古布にある「河和水上機基地跡 東側スリップ(第二すべり)」に行ってきました。
「スリップとは?」
日本語で「滑り」といい、当時水上機を海に降ろしたり、陸へ引き上げるために使われた斜面です。
東側スリップは長さ約250、幅約50mと、他の第一・三すべりと比較してかなり大きいです。
当時の図面では92mとなっているそうですが、堤防工事等で破壊されたものと思われます。
規則正しく並べられたコンクリート片、コンクリート片は数種類の大きさがあり、場所によって大きさが異なります。
「コンクリートのサイズは?」
「愛知の戦争遺跡ガイド(あいち・平和のための戦争展実行委員会発行)」によると、海際近くのコンクリートは2.5m×2m×0.8mサイズで統一されているそうです。
北端の補強部分、半世紀以上も前に作られたとは思えないほど頑丈に作られています。
しかし、半世紀以上の間に繰り返されてきた波浪や塩害などによる非常に過酷な環境は徐々にではありますが確実に劣化しています。
中央にポッカリと空いた大きな穴、空襲による破損らしく所々破壊されています。
普通ではまず見ることが出来ないスリップ断面、当時の状況を知る上で非常に興味深いです。
中央より南側に見られる拡張部分、第二スリップはもともと二つあったスリップを一つにしたためだそうです。
南岸の補強部分は大した損傷もなく原型を留めています。
南端の補強部分から北側を向いて撮影。
緩やかなスリップの勾配などがよく分かります。
「スリップの勾配は?」
勾配は1/14(4度)
谷積と言われる積み方、非常に整った石材をうまく積んでいます。
「谷積(たにづみ)」
平石の隅を立てて積む積み方で、落積(おとしづみ)ともいいます。
基地があったと言う事は空爆も、もの凄かったのかと?
最低でも自分の国は自分で守りたい!
「第二河和海軍航空隊 河和水上機基地跡 東側スリップ(第二すべり)」
所在地:愛知県知多郡美浜町古布 国道247号線沿線 河和漁港東側の海岸より約200m
アクセス: 知多バス 「都築紡績前」下車 徒歩約5分